奈良県ドクターヘリのご紹介

Mission

救急処置を必要とする患者に初期治療を行い、
迅速に搬送する救急専用ヘリコプター。

ドクターヘリとは、救急処置を必要とする重篤な患者さんが発生した現場などに救急医療に精通した医師・看護師を派遣することを主目的とし、初期治療に必要な医療機器と医薬品を搭載した救急専用のヘリコプターです。

 

ドクターヘリは、単なる患者搬送システムではありません。現場に医療チームが出向き、初期治療開始までの時間を短縮することが最大の目的です。さらに、患者さんの状態を安定させ適切な高度医療機関に迅速に搬送することにより、救命率の向上や後遺障害の軽減等の効果が得られます。

 

なお、このドクターヘリ事業は県と国の共同事業で、費用負担は県と国が行っています。そのため患者さんにはドクターヘリの利用にかかる保険診療の範囲内の費用負担(往診料、救急搬送料、治療費等)となります。

ドクターヘリの運航体制

奈良ドクターヘリは平成29年3月21日より運航を開始しております。奈良県立医科大学附属病院を基地病院、南奈良総合医療センターを発進基地病院として運行しております。搭乗する医師および看護師は、いずれも普段は県内医療機関の救急部門で活躍しています。日々の臨床を現場で活かし、一人でも多く救命できるように努めております。

出動範囲と出動要請

ドクターヘリは、奈良県内全域をカバーしています。県内であれば、片道15分以内で目的地に到着することが可能となり、高い迅速性を備えております。

 

原則、119番通報を受けた消防機関が患者の重症度等を判断して要請します。(一般の方が直接要請することはできません。)

ドクターヘリの配備

奈良県ドクターヘリ運航開始後も、従来より行ってきた三重県、和歌山県及び関西広域連合のドクターヘリの共同利用は継続して 実施します。
これにより、奈良県ドクターヘリが出動中は、他のドクターヘリ出動を 要請できるなど、重複要請時にも対応できる体制を整備しています。

ヘリコプター機体紹介

ユーロコプターEC135P2型

ドクターヘリ事業に使用するヘリコプターは、救急現場にも着陸が可能な小型機で、騒音が少ない機種を使用しており、人工呼吸器・心電図・除細動器などの救急用医療機器、医薬品等を常備搭載しています。

ドクターヘリ内には人工呼吸器や心電図モニター、電気除細動器や薬剤を微量注入できるシリンジポンプ、また心臓マッサージを行う機器も搭載しており、さながら「空飛ぶ救急処置室」となっています。

ランデブーポイント

ドクターヘリは原則として、あらかじめ設定したランデブーポイント(学校・公園等)に着陸します。
救急現場からランデブーポイントまでは救急車で搬送されます。ただし、患者さんの容体によっては救急現場近くの安全が確保された場所に着陸することもあります。

離着陸時には皆様方の御協力をお願いいたします。

搭乗人数

基本的にフライトドクター、フライトナース、操縦士、整備士の4名が搭乗して出動します。患者さんは、最大2名まで搬送することができます。
患者の家族の搭乗はフライトドクターが必要と判断し、機長が了解すれば可能です。

関係する診療科の専門医、訓練中の医師及び看護師が搭乗する場合もあります。

費用負担

ドクターヘリによる搬送に伴う費用については、患者さんの負担はありません。
ただし、医師が救急現場やヘリコプター内で行った医療行為については、医療保険制度に 基づき医療費がかかります。