ご挨拶/Greet

教授・救命センター長

奥地 一夫

皆さまへ

 奈良県立医大救急医学教室は1989年8月1日に初代宮本誠司教授によって開講され、その歴史が始まりました。私は2代目教授として2000年4月1日に赴任しています。発足当初、外来と病棟(20床)を持つ救急棟が建設され、1990年5月3日から救急患者の受け入れを開始しました。開設当初は1次救急から3次救急まで1日約100人もの新患を診るような状況でしたが、県内の休日夜間診療所の設置や病院群輪番制などの整備に伴い、より重症患者を診る施設へと段階的に発展して行き、平成9年4月1日に救命救急センターとして認可されました。平成15年9月1日には全国で17番目の高度救命救急センターへと昇格し、それ以降、奈良県唯一の高度救命センターとして、県中南部地域からの搬送はもとより、奈良県全土からの医療圏を越えた様々な重症患者の救命救急診療を行っております。

 以上の経緯から教室の名称は大学講座としては「救急医学」、救急診療を行う附属病院の診療科として「救急科」、中央診療部門として重症患者を担当する「高度救命救急センター」という三つを掲げております。実際、この三つは1つの組織であり、救急医学教室のスタッフがすべての教育、研究、診療を担っております。

 さて、救急医学は最近数十年の間に確立されてきた新しい学問分野であります.近年の臓器別に細分化した医療システムは救急医療が弱点となってきており、この克服を期待する多くの救急患者さんの社会的要請によって、救急医学は誕生したともいえます。

救急医学・救命センターの守備範囲は大きく分けると、以下の3つの類型に分類できます。

  • 1) 緊急性の高い疾患、外傷(心肺停止、脳卒中、緊張性気胸、切断指等)
  • 2) 従来の診療科で対応が困難な特殊病態(広範囲熱傷、急性中毒、熱中症等)
  • 3) 複数の診療科の関与を要するもの(多発外傷、多臓器不全、敗血症性ショック等)

 救急医学を医療に生かすためには、専門分化した医学知識や医療技術を再構成して応用するこが重要であります。この考え方を核に救急医学講座では重症患者さんを中心に、幅広い救急患者の治療を行うと共に、救急疾患および外傷の初期治療と病態解明のための研究を行い、広くプライマリケアを中心として救急病態に対応できる医師および医療従事者を養成していきたいと考えております。

 救急医療が「医の原点」と呼ばれる手応えが救急診療の中にあります.重症で瀕死の患者さんが後遺症無く、社会復帰されたときの達成感や喜びは何ものにもかえがたいと思っています。救急医療を充実させるためには、若い力の参入が必須です.短期間でもかまいませんので、一緒に働き、学び、感動を体験したい方は是非ともわれわれの施設を訪れて下さい。

〒634-8522 奈良県橿原市四条町840番地
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