奈良県立医科大学高度救命救急センターでは、重症患者に対する迅速かつ的確な初療を行うための診療体制の一つとして、ハイブリッドERを整備しています。
ハイブリッドERは、救急初療から高度な検査・治療までを、同一空間で連続して行うことを可能にする診療エリアです。
ハイブリッドERとは、高精細なCTスキャン、最新の血管撮影装置(アンギオ装置)、そして緊急手術が可能な手術台を一つの室内に集約した、次世代型の救急初療室です。

従来の救急現場では、診断のためのCT室、止血のためのIVR(カテーテル)室、そして手術室が別々に分かれており、重症患者さんの移動には常にリスクと時間のロスが伴っていました。ハイブリッドERでは、 患者さんを動かすことなく「診断」から「根本的治療」までをその場で行うことが可能となります。
このため搬入直後にCT撮影を行い、そのままカテーテル治療や開腹・開胸手術へと移行できます。重篤な外傷や大血管疾患において、救命の鍵を握る「決定的な治療」までを劇的に短縮します。
救急医、各科の専門医、放射線技師、看護師や救急救命士の全員で最先端の設備を駆使して重症患者さんに対応します。

HERSは重症外傷・内因性出血病態・ECPRなどの早急な診断と治療が求められる疾患に有効とされます
重症外傷
手術/IVRによる迅速な止血処置
内因性出血病態
手術/IVRによる迅速な止血処置
ECPR(心肺停止)
体外循環式心肺蘇生法(ECPR)
迅速なVV-ECMO導入

当センターでは、段階的な準備と検証を経てハイブリッドERの導入を進めてきました。
2021.5
HERS 計画開始
2022.9–10
施設見学研修
2023.11
工事着工
2024.3
HERS完成
2024.4
シュミレーション
2024.5
HERS運用開始
診断から治療までの流れを比較すると、その違いが明確になります。

